カードドリヴンのゲーム『Sword of Rome』のルールダイジェスト
『Sword of Rome』の簡単な紹介
このゲームは、GMT社が出版した、ローマ共和国勃興期(BC386~BC272)の、主としてイタリア半島における興亡を扱ったカードドリヴンのゲームです。
プレイ人数は2~5人と幅がありますが、4人プレイが一番面白いように作られています。
というわけで特記無い限りは以後4人プレイを前提に書きます。
プレイヤー勢力は以下の通り。
- ローマ(Romans)
- ギリシャ(Greeks)
- ガリア(Gauls)
- エトルリア&サムニウム(Etrusucan-Samnite)
有名なカルタゴ(Carthage)出てきますけど、中立勢力(5人プレイの場合はプレイヤー勢力)です。
カードドリヴンって何?
カードドリヴンとは、プレイヤーが手札(カード)を使用する事でゲームを進めていくシステムです。
ルールダイジェスト
ゲームはターン制で、1ターンは次の手順で進行していきます。
- エトルリア鉱山の枯渇(条件が合えば)
- カードを引く
- 第1プレイヤー決定
- アクション(カードを使った行動)
- 消耗
- 降伏
- 孤立
- 勝利点(VP)記録/勝利判定
- 同盟の更新/終了
- 増援
- ターンマーカーを進める
自動的勝利に達していない場合、9ターン(プレイヤーがショートゲームを望んだ場合は6ターン)行います。
①エトルリア鉱山の枯渇
エトルリアがホームスペースを5カ所以上失っていたら発生します。
以後、エトルリアの特殊能力「買収(Bribe)」が使えなくなります。
②カードを引く
まず、前のターンから残っている手札を捨ててもいいです。但しガリアは強制的に全部捨てなければなりません。
次に、各勢力の山札からカードを手札が7枚(ローマは8枚)になるまで引きます。
※注意:「Desperate Time(最悪の時)」カードは手札の枚数に数えません。ゲーム開始時に2枚ずつ用意されています。
③第1プレイヤー決定
勝利点(VP)の最も低いプレイヤーが、このターン、誰が1番最初にプレイするかを決定します。
VPが同点の場合はゲームに定められた順に決定します。
④アクション
アクションフェイズは5ラウンドあります。
③で決まった第1プレイヤーからスタートして、時計回りに順にアクションを行っていきます。
各ラウンド、順番が回ってきたプレイヤーは次の行動を好きな順番で行います。
- 同盟の打診及び破棄
- マイナーリーダー(Minor Leader)の移動または配置
- カードのプレイ
各カードには1~3の数値(Ops)と、イベントが書かれています。
カードのプレイ時には、以下の4つの中からどれか選択してプレイできます。
- 指揮官の活性化:使用したカードのOps以下の指揮官の活性化
- 政治的サポート及び忠誠度の増加:サポートや都市の忠誠度をOps分上げる
- 増援:3Opsカードをプレイして1CU(1戦力ユニット)を得る
- イベント:カードに書かれたイベントをプレイする
指揮官を活性化すると、一緒にいるCU(戦力ユニット)を10まで動かす事ができます。
イベントに書かれている事がルールと矛盾する場合は、イベントの内容を優先します。
「Desperate Time(最悪の時)」カードを使うと、他人のアクションに割り込むことができます。
⑤消耗
敵スペース上にあるCU(戦力ユニット)が消耗表に従って消耗します。
⑥降伏
・敵対するPC(政治的支配)マーカーのあるところに自分の勢力のCU(戦力ユニット)がある場合、自勢力のPCマーカーに置き換えます。
・敵対する城塞都市または部族のいるところに、自勢力の3CUがいる場合、攻城/征服判定を行います。
⑦孤立
自勢力支配下の城塞(包囲されていても構わない)、港湾都市、CU(戦力ユニット)に連絡線がたどれない場所は、独立PC(政治的支配)マーカーに置き換えます。
⑧勝利点(VP)記録/勝利判定
各プレイヤーは、勝利点(VP)マーカーを現在の位置に移動させ、勝利判定を行います。
⑨同盟の更新/終了
同盟を結んでいる両プレイヤーが同意しなければ、ここで全ての同盟は自動的に罰則無しに終了します。
⑩増援
CU(戦力ユニット)と名前付き指揮官は、攻城されていない自勢力増援スペース(数字の書かれた黄色い丸のあるスペース、ローマ人は城塞のあるスペース。どちらも攻城中ではない事)から、友好的連絡線を経由して、敵CUのいない任意のスペースに配置できます。
名前付き指揮官は、同じ勢力のCUのあるスペースに配置しなければなりません。
⑪ターンマーカーを進める
ターンマーカーを進めて次のターンを始めます。
移動と戦闘
指揮官が活性化したCU(戦力ユニット)は10個まで移動できます。
ガリアを除き、4MP(移動ポイント)を持っています。ガリアは活性化に使用したカードの数字(Ops)によって3MP~5MPの幅で変化します。
移動中、他勢力CUと指揮官の存在によって以下の事が発生する可能性があります。
- インターセプト:他勢力CUの隣接スペースに入ると、そのCUが移動中のCUのいるスペースに移動してくる。
- 戦闘回避:他勢力CUのいるスペースに入ると、そこにいるCUが他のスペースに移動する。
異なる勢力のCUが同じスペースに存在すると戦闘になります。
戦闘はお互いにサイコロ3個を振り合って、CUの比や指揮官の能力差、イベントカード(戦闘に使用できるイベントカードを使った場合)の修正を加え、合計の数値が大きい方が勝ちます(同じなら防御側の勝利)。
その際のサイコロの出目で相手に与える損害も決まります。
その他
各勢力には固有の特殊能力があります。詳細はルールブックで確認してください。
- ガリア:略奪
- エトルリア:買収
- ギリシャ:指揮官の忠誠ペナルティ
- ローマ:執政官、ローマ植民地
プレイした感想
ルールを覚えるためにお試しプレイしました。ギリシャで。
この時代のギリシャはイタリア半島では嫌われ者だと思い込んで、嫌われ者プレイしたらボコになりましたw
思い込みはいけませんね。
このゲームはカードドリヴンなので、カードで戦局がかなり変わってきます。
何回かプレイすると「Desperate Time(最悪の時)」の使いどころもわかるかもしれません。
ローマ共和国勃興期のイタリア半島での勢力争いをプレイしたければ、お薦めです。
一緒に、塩野七生著「ローマ人の物語Ⅰ-ローマは一日にして成らず」を併読するとよりいっそう楽しめるでしょう。
以上、「『Sword of Rome』(GMT)のルールダイジェスト」でした。